出前講座(川西市立 久代小学校の里山体験学習の講師)
川西市内の小学校では、猪名川流域の里山における体験を通して、自然に対する畏敬の念、 生命の尊さ、環境の大切さ等を実感し、豊かな心を育むことを目的に、「里山体験学習」を行っています。
今年も川西市教育委員会からご依頼をいただき、里山体験学習の一環として、一庫ダム湖畔の「知明湖キャンプ場」を流れる小川で水生生物観察と生物による水質判定、簡易水質調査の体験の講師を水谷河川レンジャーがつとめました。
■日 時 : 令和5年6月1日(木曜日) 12:30~14:00
■学 校 : 川西市立 久代小学校4年生 91名
■内 容 : ・川の生き物の捕獲・観察体験、水生生物による水質判定
・パックテストを用いた簡易水質調査の体験
・生き物と水質の関係、水質保全の大切さの学習
■場 所 : 知明湖キャンプ場(一庫ダム湖畔)
■講 師 : 水谷河川レンジャー
知明湖キャンプ場の川で里山体験学習
川の生き物は水質によって生息する種類が変わります。このため、その川の生き物の種類を調べることで、その場所の水質を判断することができます(「水生生物による水質判定」といいます)。この方法を用いて河川レンジャーの出前講座では、川の生き物を子供たちが採取して自分で種類を分類することで川の水質を判定する体験を指導しています。
【川の生き物採取・観察】
当日は屋外での体験活動にピッタリの爽やかな天候となり、子供たちは川に入って夢中でサワガニや昆虫、小魚を捕り、狭い小川でも様々な生き物がいっぱいいることを実感しました。川の生き物を採るのが初めての児童も多くいましたが、たくさんの生き物が採取できました。みんなで採取した生物と水谷河川レンジャーが持ってきたカメ等を触りながら観察し、川の環境を楽しく学びました。
生き物探しに夢中 採った生き物の観察
【生き物による水質判定】
子供たちが捕獲した生き物の種類を自分で分類し、種類ごとにパネルにシールを貼っていくと、「きれいな水」に住む生き物のシールがどんどん増えていきました。こうした体験により、川の水質がキレイであることが実感できました。
採った生き物の種類を分類 シールを貼って水質を判定
【簡易水質調査体験】
川の生物の種類で水質判定を行った結果を確かめるために、簡易に水質の分析ができるパックテストを用いて水質調査の体験を行いました。最初に、生物を採取した川の水を調査すると、渓流魚が棲めるようなとてもキレイな水質であることが分かり、水生生物による水質判定の結果が正しいことが実感できました。次に、その水にほんの少しのジュースを混ぜて水質調査をすると、魚が棲めない汚れた水になることが分かり、子供たちはチョットしたことで川の水が汚れてしまうことを知りました。
パックテストによる水質調査
体験学習を終えた児童の皆さんの声を聴くと、「今日体験した水生生物による水質判定の方法で、自分でも他の場所、川でも調べてみたい。」「川の楽しさ、多くの生き物、水のきれいさ等、色々なことが分かった」等の感想があり、川での体験を通して多くのことを学んでもらうことができました。