出前講座(川西市立 陽明小学校の里山体験学習の講師)
川西市内の小学校では、猪名川流域の里山における体験を通して、自然に対する畏敬の念、 生命の尊さ、環境の大切さ等を実感し、豊かな心を育むことを目的に、「里山体験学習」を行っています。
川西市教育委員会・陽明小学校からご依頼をいただき、里山体験学習の一環として、一庫ダム湖畔の「知明湖キャンプ場」を流れる小川で水生生物観察と生物による水質判定、簡易水質調査の体験の講師を水谷河川レンジャーが務めました。
■日 時 : 令和5年10月5日(木曜日) 13:00~14:50
■学 校 : 川西市立 陽明小学校4年生 44名
■内 容 : ・川の生き物の捕獲・観察体験、水生生物による水質判定
・パックテストを用いた簡易水質調査の体験
・生き物と水質の関係、水質保全の大切さの学習
■場 所 : 知明湖キャンプ場(一庫ダム湖畔)
■講 師 : 水谷河川レンジャー
知明湖キャンプ場の川で里山体験学習
川の生き物は水質によって生息する種類が変わります。このため、その川の生き物の種類を調べることで、その場所の水質を判断することができます(「水生生物による水質判定」といいます)。この方法を用いて河川レンジャーの出前講座では、川の生き物を子供たちが採取して自分で種類を分類することで川の水質を判定する体験を指導しています。
【川の生き物採取・観察】
当日は秋になりつつあり、曇りがちな少し肌寒い日でしたが、子供たちは元気いっぱいに、川に入って夢中でサワガニや昆虫、小魚を捕り、狭い小川でも様々な生き物がいっぱいいることを実感しました。川の生き物を採るのが初めての児童も多く、最初はなかなか上手く取れない児童もいましたが、頑張っているうちにだんだんと上手くなり、たくさんの生き物が採取できました。みんなで採取した生物を触りながら観察し、川の環境の豊かさ、多様さを楽しく学びました。
生き物探しに夢中 水谷河川レンジャーと生き物探し
【生き物による水質判定】
子供たちが捕獲した生き物の種類を自分で分類し、種類ごとにパネルにシールを貼っていきました。サワガニなどの「きれいな水」に住む生き物のシールがどんどん増えていきました。こうした体験により、川の水質がキレイであることが実感できました。
採った生き物の種類を分類 シールを貼って水質を判定
【簡易水質調査体験】
簡易に水質の分析ができるパックテストを用いて、川の生物で水質を判定した結果を確かめるために、水質調査の体験を行いました。最初に、川の水を調査すると、渓流魚が棲めるようなとてもキレイな水質であることが分かり、水生生物による水質判定の結果が正しいことが実感できました。次に、その水にほんの少しのジュースを混ぜて水質調査をすると、魚が棲めない汚れた水になることが分かり、子供たちは少しのことで川の水が汚れてしまうことを知りました。
パックテストによる水質調査
陽明小学校の皆さんからは、川の生物や水質に関するいろいろな質問が水谷河川レンジャーにあり、今日の体験学習で猪名川の河川環境への関心を高めてもらうことが出来ました。最後には、みんなで採取したサワガニ等を触りながら観察し、体験学習を楽しく終えました。