猪名川と武庫川に挟まれた尼崎市は古くから水害に悩まされてきた地域です。近年は大きな水害には見舞われていませんが、想定を超えるような大雨が降った場合には、一人ひとりが自らの命を守る行動を取ることが必要です。このため、尼崎市、猪名川河川事務所、猪名川河川レンジャーが共催して、市民の皆さんが洪水時の避難について考える防災講座を開催しました。
最初に、テレビでも活躍しておられる気象キャスターの奈良岡希実子さんによる水害についての講義が行われました。洪水災害の「広域化」「頻発化」「激甚化」が大きな課題となっている今日の状況を踏まえて、台風などによる近年の水害の傾向、尼崎市の水害履歴の次世代への継承、洪水に備えた気象情報の入手方法などについて市民の皆さんにお伝えしました。
「洪水時における一人ひとりの防災行動計画」として、『マイ・タイムライン』を実際に作成する講座を行いました。尼崎市域の洪水ハザードマップと猪名川河川事務所版のマイ・タイムライン作成ツールを使って、洪水時における各自のリスク等を確認するチェックシートを作成し、自らのリスクに応じたマイ避難カードとマイ・タイムラインを、各自で作成しました。参加した市民の皆さんは、自宅場所の危険性をハザードマップなどから確認し、家庭の状況等を踏まえて、避難先を確認・選定しました。この結果をもとに、身近らが洪水に備えて取るべき行動を整理し、時系列に行動内容を取りまとめたマイ・タイムラインを作成しました。
参加者の皆さんは初めての作成体験にやや戸惑いながらも、志築レンジャーや猪名川河川事務所のスタッフの皆さんの指導を受けながら、いざという時に自分の判断で適切な行動ができるように備えて、真剣に作成に取り組んでいました。