猪名川河川レンジャー現地視察会
猪名川河川レンジャーの活動範囲の拡大や関係自治体との連携強化に繋げることを目的に、現地視察会を開催しました。猪名川河川レンジャーの知識・情報を猪名川上流域へ拡大できるように、上流域の環境保全、水辺文化に係わる場所や施設を視察しました。
■開催日時 : 令和3年7月29日(木曜日) 8:45~14:00
■視察場所 : ①猪名川の源流
②猪名川町環境交流館
③国史跡 多田銀銅山遺跡
①猪名川の源流
猪名川の源流は、兵庫県自然公園特別地域に指定される大野山(標高753m)の山頂近くにあります。岩の隙間から湧き出す石清水が渓谷を下り、一庫大路次川や余野川と合流しながら、神崎川に注ぐ延長43.2kmの流れとなります。
<視察の概要>
源流の様子や周辺の環境を視察し、源流から湧き出した水が私たちの暮らしを支える猪名川に続いていることを再認識しました。パックテスト(水質の簡易測定器)を用いて源流の水の水質を調べ、汚れが少ないきれいな水であることを確認しました。
猪名川の源流
②猪名川町環境交流館
猪名川町環境交流館は、猪名川町の豊かな自然環境を伝えるとともに、水生生物を通して環境保全意識の啓発を図る施設です。地域住民、地域団体と猪名川町が手を取り合い、「メダカを守り、美しい自然を子供たちに伝えたい」との願いをこめて運営されています。屋外のビオトープと屋内の展示室では、希少種であるメダカを中心に20種類以上の水生生物を観察することができます。
<視察の概要>
施設を運営する「NPO法人いながわメダカコムズ」の皆様にご案内いただき、展示室で水生生物を飼育されている様子の視察や意見交換を行いました。
意見交換会の様子
水槽で飼育されている魚やエビ
屋内展示室の見学
屋外ビオトープの見学
③国史跡 多田銀銅山遺跡
多田銀銅山は、兵庫県猪名川町、川西市、宝塚市、大阪府能勢町、豊能町、池田市、箕面市に広がる鉱床群で、1973年(昭和48年)の閉山まで銀や銅を産出していました。このうち猪名川町銀山地区は、遺跡の重要性が明らかになり2015年10月に国史跡に指定されています。その歴史は1000年以上前から始まり、歴史上の人物も多田銀銅山の歴史に登場します。現地には当時の坑道(間歩)がいくつも残されています。
<視察の概要>
猪名川町教育委員会の学芸員の方にご案内いただき、江戸時代から昭和までの採掘の歴史を今に伝える「青木間歩」の内部や、その周辺の様子を視察しました。採掘された銅が小曽根村(豊中市)や下河原村(伊丹市)から川船を使って猪名川を下り、大阪の銅座まで運ばれていたことなどを教えていただきました。
青木間歩の内部の様子
学芸員の方にご案内いただきました